甘えんBoy



「誰って…。あんたしかいないじゃない」


「ったく…。お前はもう少し可愛げがあれば、それなりにいい女なのにな」



…は?


それなりに…だと?!



「素直に可愛く話せばまだマシだって言ってんだよ」


「あ、あ、あんたに言われたくないわ!!この猫かぶり男!」



私は持っていたタオルを龍貴に向かい投げつけた



しかし龍貴は持ち前の反射神経で、バシッとタオルをキャッチした



「猫かぶりってなんだよ。俺のどこが?」


「どこがって…。テレビの前では爽やか君のくせに、私の前じゃ全く違うじゃない!」



龍貴は私の言葉をふんっと鼻で笑った



…コイツの裏の性格は、本当にむかつく


しかもこの裏龍貴は私しか知らない


私の両親の前でさえ、いい子ちゃんなのに、私の前でだけこの俺様龍貴になりやがる




「なんだよ。あれは仕事柄なんだから仕方ないだろ。ああしないと仕事だってこねぇし」


「だったら私にだっていつも通りでいいじゃない!!」



そうよ!
それなら難無く龍貴を迎えられるのに!


「…いつも通りか」


「そうよ!やってみなさいよ!」



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