雑用ガール
01,希望であふれた瞳
浅倉豹子、15才。
来週あたしは、この河西中学を卒業する。




「豹子」



あたしの隣の席に座る、春日尚美。



「なに?」
「豹子さ、高校入ったらなんか部活入る?」
「部活?えー……考えてないけど……」
「ふーん」
「あ、でも絶対やりたいことならある」
「まぢ?なんなの?」



尚美は、体ごとあたしのほうに向けてきた。



「マネージャー」
「あ、あぁ……マネジね……」
「反応うすっ」
「や、なんか意外で。豹子ってマネジよか部員って感じじゃん」



中学3年間。
あたしは陸上部に入り、恋も勉強も何もかもを捨てて部活に熱中していた。



「南ちゃん的な」
「ぎゃははは!無理無理!ありえないって!」





あの頃はまだ、希望と期待に満ち溢れていた。




< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop