学生さん
第18章
     18
 あたしたちはその日、一日中ビーチにいて、肌がだいぶ焼けてしまった。


 互いに疲れていることに変わりはない。


 毎日、あたしはカサ研に詰め、謙太は1Kのアパートで公募原稿を書き続けている。


 あたしは大学に通うときは大抵、決まったものを持ち歩いていた。


 ノートパソコンとケータイ、レジュメなどの資料、それに電子書籍を読む端末など、ほぼ同じものを持っていく。


 あたし自身、文化的な生活を送りたかったので、そういった機器類は欠かさず持っていき、空き時間に見続けていた。


 ふっと講義の合間の休み時間などに研究室外で端末を開き、読書する。


 昼休みなども、ケータイと端末は欠かさず持ち歩き、食事を取りながら閲覧し続けていた。


 あたしは基本的に新聞を取らない。


 だからケータイをネットに繋ぐか、端末を使うかして、新聞まで読んでいた。


 確かにあたしは貧乏学生だ。
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