学生さん
 教わる内容は同じにしても。


 そしてあたしは謙太と海を見に行った日の翌日から、普通通り大学に足を運んでいた。


 前期の授業は七月半ばで終わり、無駄に長い夏休みを挟んで九月中旬から後期になる。

 
 あたしはキャンパスにいるときは常に深呼吸していた。


 気持ちを落ち着かせることが肝心だったからである。


 院生は試験などないのだし、常に研究分野の最先端に居続けることが必要だったのだから……。


 六月も終わって、七月に入る。


 蒸し暑さが続いていた。


 連日、キャンパス内は騒がしかったが、これが開告大のカラーなのである。


 蛮風(ばんぷう)と言う名の……。
 

 
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