学生さん
 あたしは彼のケータイにメールする。


 <今から二食の入り口の前で待ってるから。来てね>と。


 送信ボタンを押して、メールを送る。


 送信完了のメッセージが出てきて、あたしはフリップを閉じ、待ち続けた。


 謙太は食事も結構いい加減のようだ。


 朝はパン一枚とコーヒー一杯で軽めに済ませて、昼になると学食で大盛りの牛丼かラーメンなどを食べ、夕食も学食で取っていたらしい。


 要は開告大生皆が貧乏ということだ。 


 あたしも極力料理は作っていたが、学食を利用することの方が多かった。


 安いからである。


 特にこの季節は新入生が食堂に殺到していて、混み合う。


 あたしは学内を歩きながら、キャンパスライフを存分に楽しんでいた。


 さすがに一日が終われば、夜は飲み会などもあったし、コンパに誘われることもしょっちゅうだ。
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