学生さん
 あたしは英語の研究自体に面白さを感じていたのだが、常にパソコンと向き合っていると疲れる。


 カサ研に詰めている間はずっと研究を続けていたのだが、合間にコーヒーを飲むときは一息つけていた。


 仲間内で学食に行くことももちろんあったのだし……。


 あたしはそういったときはなるだけ体を休めている。


 研究に没頭するときは気分が滅入ることもあった。


 そういったときのための打開策として、あたしは学内で食事するときは専門の話を一切止めている。


 確かにあたしと同じ院生たちは専門に詳しい。


 得意とする分野に関しての知識はとても豊富である。


 だけど、中には常識がないような人間もいた。


 そういった人間を専門バカというのだ。


 あたし自身、その手の人間とは表面上付き合いはしているものの、心の内では嘲笑(あざわら)っていた。
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