学生さん
「それ、君の悪い癖だぞ」


「そうね」


 あたしがそう言って笑う。


 謙太も釣られて笑った。


 ホントに小さなきっかけからでも、愛情は育つものだと思う。


 たとえ、その人がどんな立場に置かれていたにしても、充足しているかしてないかは、本人の判断次第だ。


 あたしも食事を取りながら、彼と差し向かいで過ごしていた。


 夏場なので蒸し暑く、エアコンを利かせる。


 やはりこういった時季は食事をたくさん取り、よく眠るのが一番だ。


 あたし自身、夜は眠る時間に充てて、朝方起き出せばキッチンでコーヒーを一杯淹れるのだし……。


 研究は進む。
 

 秋には開告大のキャンパス内で学会がある。
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