学生さん
 そして抱く価値観こそ違っていたとしても、あたしは彼と時間を分かち合える。


 食事した後は、どちらかの部屋に行き、夜を過ごす。


 熱く抱き合っていた。


 互いに腕を絡ませて。


 行為が終われば、寝酒を飲んだりもする。


 軽く一杯ぐらいウイスキーの水割りなどを作って。


 謙太は慣れているらしい。


 独酌(どくしゃく)する夜もあるらしいので。


 あたしは彼が適量しかお酒を飲まないことに気付く。


 慣れてきたようだ。


 酒の力を借りずに眠る夜に。


 あたしたちは夜が終わりさえすれば、また新しい朝が来るのを感じていた。


 お互い、朝からは仕事がある。
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