学生さん
「知ってるの?」


「この近辺の学生街じゃ知らない人いないわよ。謙太が大賞こそ逃したけど、特別賞もらったって」


「そうなんだ……」
 

 蕾が桃色の桜は春の到来を意味する。


 あたしがお昼を買いに近くのコンビニまで行った。
 

 謙太もあたしに付いてくる。


 あたしが海苔弁を買い、彼は唐揚げ弁当を買った。


 謙太が口を開く。


「今から時間ある?」


「うん。……今日は午後から授業入ってないから」


「じゃあ、学内にあるベンチで飯食おうよ」


「いいわ。天気もいいしね」

< 158 / 200 >

この作品をシェア

pagetop