学生さん
 あたしも例外なしにその一人である。


 いくら使っている米がカリフォルニア米といっても、それを使った和風定食などを食べていた。


 牛丼屋などもある。


 稀に入ることがあった。


 あたし自身、牛丼はかなり好きな類の食べ物だったからだ。


 季節は着実に過ぎ去っていく。


 八月に行なわれた院生向けの夏期集中講義が終わった後、あたしは修論に取り掛かった。


 日本の大学院と同じく、年末までに提出すればいい。


 あたしは帰国できるときを待ちわびていた。


 やはりいくら住み慣れたとはいえ、海外は何かと物騒だ。


 あたし自身、秋からの院の授業にも欠かさず出席し、必要な単位を取る。


 無事修士号が取れれば、日本に帰って、開告大の博士課程の入学試験を受けるつもりでいた。
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