学生さん
第29章
29
「ミオ、君は優秀な学生だね」
あたしのゼミの担当教官はいつもそう言ってくれた。
あたしも研究室にいて、だいぶアメリカの大学院の雰囲気に慣れてしまっている。
謙太の受賞作は単行本化され、ネット書店でも販売されていた。
あたしも一冊買って読んでみた。
確かに彼の作家としての第一作はとても面白いと思える。
警察小説だが、味わい深いところもあった。
謙太の描く刑事が、どこかしら松本清張の作品に出てくるそれとオーバーラップして見える。
古いタイプの刑事小説だが、それだけ世に出す価値があったのだろう。
大賞ではなく、次点で特別賞までしか獲ることが出来なかったとはいえ。
あたしは毎朝午前九時頃に、テレビ電話で彼と話をしている。
その時間帯は時差の関係で、日本は翌日の午前四時頃だ。
「ミオ、君は優秀な学生だね」
あたしのゼミの担当教官はいつもそう言ってくれた。
あたしも研究室にいて、だいぶアメリカの大学院の雰囲気に慣れてしまっている。
謙太の受賞作は単行本化され、ネット書店でも販売されていた。
あたしも一冊買って読んでみた。
確かに彼の作家としての第一作はとても面白いと思える。
警察小説だが、味わい深いところもあった。
謙太の描く刑事が、どこかしら松本清張の作品に出てくるそれとオーバーラップして見える。
古いタイプの刑事小説だが、それだけ世に出す価値があったのだろう。
大賞ではなく、次点で特別賞までしか獲ることが出来なかったとはいえ。
あたしは毎朝午前九時頃に、テレビ電話で彼と話をしている。
その時間帯は時差の関係で、日本は翌日の午前四時頃だ。