学生さん
 だけど謙太は早いうちに起き出し、コーヒーとトーストなどで軽い朝食を済ませてから、燃えるゴミの日はゴミ出しなどをしていた。


 彼はあたしに対して言う。


「毎日原稿を書いている」と。


 あたしがスカイプ越しに言った。


「処女作はもう増刷が掛かったって聞いたわ」


 ――うん。早々と四版まで刷られてるよ。自分で言うのもなんだけど、売れ行きは順調だし。


「これからはプロとしてやっていけるわね」


 ――ああ。受賞後第一作も年内の出版が確定したからな。


「そう」


 ――それに今年の十一月から、推理系の文芸雑誌で連載持つことになったんだ。


「どんどん仕事が増えるわね」


 ――うん。だけど、仕事が来なかったら作家じゃないからな。
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