学生さん
 すぐに返信が来る。


 <ああ。自宅で待ってろよ。自転車ですぐ来るから>と打ってあり、あたしは読み終わると、ケータイのフリップを閉じた。


 そして自宅マンションで待ち続ける。


 氷を浮かべたアイスコーヒーを飲み、しっかりと目を覚ましてから、あたしは外出準備を整えた。


 一応持っていくのはケータイと財布ぐらいでいいかなと思い。


 呼吸を整えて、彼が来るのを待つ。


 何かしら幻想的な雰囲気になりつつあった。


 恋人同士で美しく真っ青な海を見るのは、とても楽しいことだからだ。


 そう、二十分ほどが経ち、謙太がやってきた。


 自宅マンションの呼び鈴が鳴り、あたしが一応、


「どなた?」


 と訊いてみると、扉越しに、
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