学生さん
が――は、普通に食べることが出来ない。


 理系の医学部や薬学部などのように簡単に博士号を取ることは無理に等しいのだし、あたしは専門が英米文学だったので、大学院時代に頑張らないとかなり危険なのだった。


 今はPh.D.など価値はほとんどない。


 単に哲学博士として認定されるだけで、大学院でも普通にやっていれば、誰でも取れるものである。


 資格らしい資格じゃないし、所定の単位を取り終えて、一定の分量の研究論文を出しさえすれば、よほどのことがない限り取れる代物だった。


 一般世間から言われば、大学の教授や准教授などというと聞こえがいいが、別に今という時代、そんなものを振りかざしたとしても何ら意味がないのだ。


 実際、開告大を始めとして、早稲田や慶應などの私大ですら、肩書きの価値が薄れつつある。


 要はこれから先、文学などの研究をやる際に、博士号など誰でも持っているべきということだ。


 昔は単位取得退学して、後から論文で取るケースもあったのだが……。


 今の学生でそんなことをする人間はゼロに等しい。
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