学生さん
 ヘミングウェイはたまたま卒論で書いただけで、大学時代原書で読み漁ったのだが、今はもう興味があまりない。


 それにあたしは使える知識として、英語を構造的に知りたかった。


 感覚で読むのではなく理論的に、しかも体系付けて、だ。


 あたしはずっと自宅で研究を続けていた。


 丸一日部屋で作業することもあれば、ちょっと気を抜いて、ポータブル式の電子書籍端末を持ち、近くのカフェにお茶を飲みに行くこともある。


 コーヒーとスイーツを頼み、ティータイムを楽しんでいた。


 端末に付いている各社の新聞記事や、有料でダウンロードしている雑誌の記事、それに趣味で読む電子書籍なども入れている。


 あたし自身、常にそういったものに目を通し、活字から離れることはまずなかった。


 確かにいろんなものがこれからも登場してくるだろう。


 あたしは世の中のトレンドに十分付いていけていた。


 テレビも一日に一時間半から二時間ぐらいは見ていたし、面白い番組がないときは、ネットで情報を仕入れたりしている。
< 51 / 200 >

この作品をシェア

pagetop