学生さん
 別にそれがどうのこうのということはないのだが、あたしも将来的に研究者になるには世の中の情報のピンからキリまで知っておかないとまずい。


 あたし自身、河西教授が研究者として優れているのはもちろん、雑学などにも相当詳しいことを知っていた。


 それは講義を聞きに行けば分かる。


 あたしは院の修士課程の授業が一週間で八コマほどしかないのは驚いていた。


 大学院がほとんど個人研究に近くて、しかも修士・博士問わず、ほとんどの院生がカサ研でずっとパソコンの画面を見続けている。


 あたしもいろんな研究者と遭遇するのは実に難しいと思った。


 稀に他大学の教授が客員で来ることもあったのだが、それもどのぐらいの密度の授業をするか把握するのは困難だった。


 まあ、内枝のように適当なことを喋って帰っていく人間もいるぐらいだから……。


 あたし自身、院でレポートを書いたり、将来的に提出する修士論文などの研究論文の下書きをしたりもしていた。


 あたしは結構遠い将来のことも見据えている。

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