学生さん
 学生向けでとても安い。


 着慣れているところなので、店の従業員とも顔馴染みだ。


「いらっしゃい」


 学生街にあるにしてはおよそ相応しくないようなレトロっぽい店で、マスターが声を掛けると、あたしが「こんにちは」と挨拶する。


「ああ、富岡さん。座って、座って」


「ありがとう」


 アイスコーヒーを一杯にスイーツを二個頼み、ティータイムを楽しみ始めた。


 端末を弄りながら、電子書籍などを読み出す。


 小説は頭の体操だ。


 そんなに疲れるものじゃないし、あたしも有名作家・無名作家問わず、いろんな書き手が書いたものを読み続けていた。


 一冊が三百円から四百円ぐらいでダウンロードできるので、安い買い物だ。


 あたしはそれらを読みながら、普段疲れている頭を休める。
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