学生さん
 あたし自身、読書傾向は流行作家よりもむしろそうじゃない作家の方に移っているのだった。


 カフェでお茶を飲み、お菓子を食べながら読書を続ける。


 夜も眠る前に少し本を読むことがあった。


 やはり昼間は論文の代筆や、次の講義に使うレジュメなどを作成することで手一杯だ。


 その分の潤いを補うために、夕方から夜に掛けて読書する。


 あたしは解放されたい気分にもなっていた。


 いくら英語の研究が面白かったにしても……。


 もちろん研究の醍醐味は分かりつつあったのだが……。


 研究に没頭している間はそっちの方に全ての注意が行くから大変だ。


 でも、興味が尽きることはない。


 元々あたし自身、そういった研究がしたくて、開告大学文学部を選んだのだし……。






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