学生さん
 別にそれでもちゃんと書けていれば構わないので、あたしは提出した後、書きすぎで指が痛くはなっていた。


 今思えば、受験勉強もほとんど手書きでこなしていた。


 大学の過去問が載っている赤本を借りてきて、学校のコピー機で必要な分コピーしてから解いていた。


 要はあたし自身が、そんなに裕福な家に生まれたわけじゃなかったということだ。


 確かに開告大は私立である。


 文系でも学費は高い。


 あたしは大学時代、奨学金を受けながら、同時に生活費は家庭教師のバイト代でまかなっていた。


 週に三回、生徒さんのお家にお邪魔して、勉強を教える。


 あたし自身、開告大の入試は国語と英語と日本史だったので、数学や理科などは勉強していない。


 もちろん、あたしに回される生徒は高校生でも私立文系の子たちだった。


 あたしは主に女子高生相手に教えていた。
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