学生さん
第15章
     15
 あたしは五月半ばの蒸されるような暑さの中、朝早起きして、学校に行った。


 確かに連日夜が蒸し暑くて寝苦しい。


 あたしはTシャツに短パンを穿いて、眠っていた。


 大概、午後十時過ぎとか十一時前には室内にモーツァルトを掛けて、就眠(しゅうみん)の準備をしてから布団に包(くる)まる。


 いったんベッドに横になれば、そのまま睡眠へと入った。


 寝苦しさが続いているのは事実だったが……。


 あたしはどうしても眠れないときは起き出してパソコンを開き、マシーン本体に取り込んでいたデータを見る。


 必要な文献をチェックしていると、自然と眠気が差す。


 あたし自身、目が疲れると、たちどころに眠気が襲ってくるのだ。


 そのときはそのままベッドに潜り込む。


 大学に通いながら、五月晴れの日々を体感していた。

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