学生さん
 私立文系だと教科数が少ない分、余裕が出来るし、あたしも指導しやすい。


 あたしは将来的には大学に残り、英語という言語に関して研究するつもりでいたが、文学部というところにいる人間は普通に食べられないのが現実だと知っていた。


 だから一年生の基礎ゼミのときから河西教授に付いて、研究をしている。


 あたしは大学一年の年の七月に、自分用にノートパソコンを一台買った。


 今から四年前のものでOSもかなり古い。


 だけど使いこなせば、段々とツールも覚えていく。


 あたし自身、四年前のことは記憶に鮮明に残っている。


 入学当時は学校に欠かさず行っていた。


 せっかく高い授業料を支払っているのだから、元を取るためにしっかりと、ほぼ皆勤で授業に出席し、担当教官からは褒められていたのが現実だ。


 教養の授業はもちろんだが、三年生から始まる<コミュニケーション英語学>の授業などにも出ていた。


 大学キャンパスから自宅アパートまで、歩いて五分の近さだ。

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