学生さん
 やがて二〇一一年も六月へと入る。


 謙太とはケータイで連絡を取り合っていた。


 そしてあたし自身、思っていたことが現実となる。


 六月頭に彼は院の退学届を事務局に出した。


 これから先は開告大学文学部大学院修士課程中退で、活動していくらしい。


 メジャー作家になるまで、長い道のりになることは目に見えていた。


 作家でも売れない人間たちの方が数が多いのだから……。


 そして謙太はブログを立ち上げた。


 これから先はプロ作家目指して、そのページで随時活動を報告していくつもりらしい。


 あたしも彼を応援する気でいた。


 同志ではなかったにしても……。
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