学生さん
 謙太も普段忙しくしているのだろうが、今日は余裕が出来たようだ。


 おそらく公募原稿がはかどっているものと思われる。


 つい最近のブログの記事でも<四百五十枚まで書いた>ということが記してあった。


 やはり慣れているのだ。


 多分、謙太は作家としてデビューすれば、ワープロ職人のようになるものと思われる。


 あたしにとっても楽しみなのだった。


 彼が書いた作品が賞を受賞して、店頭に並んだり、ドラマ化されたりすることを。


 日本ミステリー文学大賞は賞金一千万円に加えて、映像化もされる予定だ。


 謙太はペンネームは持っていないようだった。


 本名で書いていくつもりらしい。


 あたしは彼がどんな作品を書いていくのか、期待していた。


 おそらく今日海を見に行くのは、気分転換なのだろうと思う。


 作家志望者はずっとこもって原稿を書き続けている。
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