magnet
何?と口を開く前に先回りをするのが目の前の相手。
「もうちょっと喜ぼうよ、テストの事の前にさ!」
ガッと身を乗り出してきて近づいてくる。
さすがにそれは怖いって。それに愛架の場合、
「勉強したくないだけでしょ」
私も人の事は言えないけど。
そんな事を言うと、えへへと頭を掻き、バツが悪そうな顔を浮かべた。
「バレたかー。でも嬉しいのは本当。もう、叫びたい位だよ心菜に彼氏が出来たー!って」
「もういいって」
もう、本当に……と呆れながらため息を吐き、作業の続きをした。
けれど愛架はまた笑った。