magnet
美術室がある校舎と学年の集まりの校舎を繋ぐ渡り廊下。そこは正門がよく見える。
下校する生徒だとか。今から走り込みをする部活の人たちだとか。
お嬢様学校の制服を着た人と、朔の姿。だとか。
時には見えなくても良いものも見えてしまう。
それを見て暫く動けなかった。
いつもいつもいつだって、悲しい気持ちと悔しい気持ちが襲い掛かる。
一度目は目を閉じれるけど、二度目はどうやっても閉じれない。
確信もなにもないのに裏切られたような感覚に襲われ目眩がする。
朔は私には見せないような笑顔で笑っていた。