magnet


美術室がある校舎と学年の集まりの校舎を繋ぐ渡り廊下。そこは正門がよく見える。


下校する生徒だとか。今から走り込みをする部活の人たちだとか。


お嬢様学校の制服を着た人と、朔の姿。だとか。


時には見えなくても良いものも見えてしまう。


それを見て暫く動けなかった。


いつもいつもいつだって、悲しい気持ちと悔しい気持ちが襲い掛かる。


一度目は目を閉じれるけど、二度目はどうやっても閉じれない。


確信もなにもないのに裏切られたような感覚に襲われ目眩がする。


朔は私には見せないような笑顔で笑っていた。





< 156 / 215 >

この作品をシェア

pagetop