magnet


また、自己嫌悪と劣等感に襲われてる。


気丈に振る舞わないと私はコンプレックスの塊だからそうしないとって言い聞かせてきた。


クラスメイトを見て、何かを必死で頑張ってる人を見て、私は……なんて、心の片隅でいつも思っていた。


「じゃあ、泣きたくなったらいつでも泣いたらいいよ」


「……うん」


そう言われるだけでグッと何かが込み上げて来るけど我慢した。


ここで吐き出すのは違う。これは私が決めた事だから。


複雑に絡み合った感情、この感情が消える日が来るのだろうか。


それはいつなのだろうか。早く無くなってほしいと思いながら、目を閉じた。


朔の姿が焼き付いて離れない。






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