magnet
二人の会話を耳に入れながら何となく目で姿を追う。
友達であろう子達と一緒に帰っていて、じゃれあっている様子。
その姿は何て事はない姿。でも心から楽しそうで、自然と笑みが溢れた。
優しい穏やかな波が私の中に起こる。
それに自分で気付いてしまうと今度は表情を自発的に無くした。
だけども、目で湊を追う始末。
「……何かが変わったよなぁ」
ポツリと呟いて、二人に向き合って会話に混ざった。他愛もなくいつも通りの会話。
さっきまでの気だるさはいつの間にか消えていたのだった。