ポッケ
ピアノの先生の家は、有栖の家から歩いて30分ぐらいで、自転車では、約13~15分ぐらいの距離だ。

「あと10分でレッスンはじまっちゃうよ…」

力いっぱい自転車のペダルをこいだ。

「間に合った。」
自転車を指示されている駐輪場に止めて急いだ。

―。

「はい。今日は、ここまで。いっぱい練習したのかなぁ?前よりできてるよ。じゃー次の課題ね。」
先生は、有栖を誉めた。

『あたし、あんまり練習してないけど…』
心の中で答えた。

「ありがとうございました。」
靴をはき、でようとドアノブに手をかけようとした。
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