モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
弟、あなたのために。
退院した次の日は、快晴だった。
今日から海は隣のクラスに移動。
遥は心配になりながらも、大丈夫という彼女を応援することにした。
「海ちゃーん、遥ー!遅刻するわよー!」
母親の声で急いで用意をすませ、
二人はあわただしく外にでる。
「行ってきます!」
「いってらっしゃい。」
綺麗に整えられた髪をなびかせ、海は笑った。
そんな姉を見て、変わったなと実感する。
泣き虫で、地味な海はもういない。
「遥、行こう。」
「うん。」
遥は海の手を引き、乱暴につないだ。
それを見て初めは驚いたがすぐに頬を染めて微笑む。
「遥、すき。」
「っ、うん///」
この恋が叶わなくても、
海は幸せだった。
遥の隣でいれるだけでよかった。
付き合っているわけではない。
ただ、 好き 。
だから、傍にいたい。
遥もきっと同じ気持ちだろう。
クラスが離れても寂しくない。
むしろ、頑張れるような気がした。