モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
姉、変わる
*
本当は、ずっとずっと気になっていた。
だけど、あと一歩が踏み出せなくて、
まわりの目が気になって、
怖くて、
「海、帰ろう。」
「う、うん。」
覚悟はしていた。
遥は人気者から一気に嫌われ者になった。
海と仲良くしているから、ただそれだけの理由で。
健二までもが遥から離れていった。
これにはショックを受けたが、
もう、いい。
自分は海をとった。
それだけだ。
あの休み時間から、まわりの態度が急変してこれには驚いた。
「遥君って、カッコイイけど趣味悪いよね。」
「ちょっと幻滅~。」
ひそひそと聞こえる声。
聞こえないふりをして海と並んで帰宅する。
「はー、」
「ご、ごめんね遥君。」
「謝るなよ、ウザイ」
「・・・ご、ごめ」
「だから、謝るなって!」
「あ、ご、じゃなくて・・うん。」
「俺、前から気になってたんだけど・・・。」
「何?」
「なんでイジメられてたわけ?」