モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
弟、恋する
*
次の日。
登校時間をずらして、双子は家を出た。
先に家をでた遥は一足先に学校につく。
ガラ、
「おっはよー遥!」
「おはよ、健二。」
「おはよう、筧君?」
「・・・誰?」
健二の隣にたつ好青年を見て、遥は訝しげな表情を見せた。
「お前なー、クラスメイトの名前くらい覚えろよ!
昨日自己紹介してたじゃん!三守冬樹!お前と同じくらい女子に人気あるやつ!
あークソ、イケメンはいいよなあー!!!」
「は?・・・ああ!」
「?俺のこと知ってる?」
「いや、昨日家で・・・、」
「家で?」
遥は無意識に海が話していたことを言おうとしてしまった。
はっとなり、あわてて口を閉じると、 女子がカッコイイって騒いでた と適当な理由を述べた。
「筧君も結構有名だよね。ファンクラブもあるんだろ?」
「遥でいいよ。苗字だと違和感あるし。
・・・ファンクラブ、あるみたいだけどよく知らない」
「じゃあ、俺のことも冬樹で。へえ、以外だな」
「あーうっぜーな。イケメンの会話はうっぜえなああ」
「さっきからうっせーよ健二」
べし、と軽く健二をたたけば冬樹は声にだして笑った。
昨日海が言っていた通り、本当に良い奴なのかもしれない。