大江戸恋愛記
ドシィィィイン…
「……あれ?」
目を瞑った直後、辺りに響いた何かが倒れる音。
恐る恐る目を開いてみると……
「う…嘘でしょ…?」
何と、怪物が倒れて伸びていた。
おばあさんはと言うと、何の怪我もなくピンピンしていた。
うっそお……おばあさん、凄すぎる…
私はその場にへたり込んだ。
未だに目が離せない。瞬きも出来ない。
どうして?何であんな怪物を一発で倒せたの?
おばあさん……私、ファンになりそうです。
暫くしておばあさんが戻ってくるのを見ると、私は自然と立ち上がっておばあさんの元へと駆け寄っていた。
その時、既に結界を飛び出していると知らずに。
「おばあさん!」
「!お前さん、何で結界から…」
何かおばあさんが驚いているけれど、私は興奮していて気にせずに話しかけた。
「おばあさんって凄いんですね!驚きました、まさかあんな……」
そこで、私はハッとした。
倒れて死んだはずの怪物の腕が、僅かに動いたのが目に映ったから。
「……嘘」
「どうした?しお…」
「子供が……っ」
なんと、その怪物の近くに子供がいたのだ。
しかも怪物が動いている。
危険。危険すぎる状況。
私は気付けば走り出していた。