大江戸恋愛記
『………』
…あれ?
『死んで、ない…?』
私はゆっくりと目を開けて自分の手を見たり、手で自分のほっぺたとかを触ったりして生きてることを実感した。
すると自然に、涙が出てきた。
『怖、かった……っ』
絞り出すような声に自分でも驚いた。
落ちていく自分。何も出来ずにただ死を待つ感覚に今更ながら震えてきた。
よかった。本当によかった。ただひたすらそればっかりを心の中で呟いていた私には、ここが何処だか分かるのに時間がかかった。
チュンチュン、チチチ……
そんな私に鳥の声が聞こえてきて、ハッとして顔を上げた。
ん…?
こ……
『ここはどこ…?』
視界に映ったのは緑いっぱいの幻想的な森の中でした。