短編小説集*イベント編*
短冊の願い事〜七夕〜
今日は一年に一度
彦星様と織姫様が出会える日。
遠く離れた天の川の向こう側。
今年も橋がかかって、あなたたちは私の頭上で結ばれる。
ねぇ…
お願いできますか?
その高い空からなら見えるでしょう?
私もあの人に会いたいの……
*。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。
「里奈は短冊に何書いたの?」
私の隣に立っている金沢優子(カナザワ ユウコ)が聞いてきた。
「内緒ッ。願い事は口にしたら叶わないって言うしね」
「えーっなんでよケチッ」
隣で優子が頬を膨らませた。
「じゃあ優子はなんて書いたのさ?」
「そりゃもちろん“素敵な彼氏が欲しい!”に決まってるじゃん」
それを聞いて私は苦笑い。
やっぱり普通の女の子なら彼氏が欲しいと願うのだろう。
ましてや、もう高校一年生。
余計そうなんだろうな…
でも私は違った。
私は“彼”じゃなきゃダメなんだ。
青い短冊。
青は彼の好きな色。
遠くに行ってしまった彼の好きな色…
彦星様と織姫様が出会える日。
遠く離れた天の川の向こう側。
今年も橋がかかって、あなたたちは私の頭上で結ばれる。
ねぇ…
お願いできますか?
その高い空からなら見えるでしょう?
私もあの人に会いたいの……
*。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。*゚+。
「里奈は短冊に何書いたの?」
私の隣に立っている金沢優子(カナザワ ユウコ)が聞いてきた。
「内緒ッ。願い事は口にしたら叶わないって言うしね」
「えーっなんでよケチッ」
隣で優子が頬を膨らませた。
「じゃあ優子はなんて書いたのさ?」
「そりゃもちろん“素敵な彼氏が欲しい!”に決まってるじゃん」
それを聞いて私は苦笑い。
やっぱり普通の女の子なら彼氏が欲しいと願うのだろう。
ましてや、もう高校一年生。
余計そうなんだろうな…
でも私は違った。
私は“彼”じゃなきゃダメなんだ。
青い短冊。
青は彼の好きな色。
遠くに行ってしまった彼の好きな色…