水曜日の彼女

 「…どうしてそんな事聞くんだよ?」

 と、俺は尋ねた。


 アキラは俺を見た。

 「いや、こないだはその気がないって言ってたからさ、あいつらの言葉に流されてるだけじゃないのかと思って。」


 「そんな事ねえよ!」

 俺はアキラの言葉にカッとなって、とっさに答えた。


 「あいつらに付き合えって言われたからじゃない。チカを見てて本当にそう思ったんだ。俺が決めたんだよ!」

 俺は自分の言葉に覆い被せるようにまくし立てた。


 アキラはそんな俺の姿に目を丸くしたがやがて、視線を前へと反らした。

 「そうか、なら良いんだ。…悪かったな。変な事聞いて。」


 アキラはその後は何も言わなかった。

 俺も怒りが収まらす口を噤んだ。

 そのまま俺達は嫌な空気になって一言も交わさず帰った。

 こんな事になるなら、アキラに言うんじゃなかったよ。

 後味が悪くて腹が立つ。


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