水曜日の彼女
3
うわの空
あれからどうコンビニへ戻ったのか全く覚えていない。
それどころかその後の全ての行動がうやむやである。
ただ一つ言えるのは彼女が教えてくれたとおりに夕方から雨が降り出した事だ 。
気が付けば彼女の事ばかり考えている。
風邪は治ったのか、相変わらずお菓子に付いている変なオマケはまだ集めてるのかとか。
そして切れ長で大きめの目が崩れるあの笑顔……。
「…っと、ちょっと、ヒデ?聞いてる!?」
我に返って前を向くとチカがむくれていた。
「ごめん、悪い。何だった?」
そうだ、今は飯をおごる約束でチカと一緒にいるんだった。
「さっきから全然話、聞いてないでしょ?何かあったの?」
チカが疑いの眼差しでこっちを見てる。
「何もないって。ただ、ちょっと考え事してただけだよ。」
慌てて弁解する。
「ホントにぃ~?」
まだ疑っている。そりゃそうだよな。