水曜日の彼女

 「おはようございます。」

 店内に入って来た彼女は俺を見つけると挨拶してくれた。

 「お、おはよう、ご、ございます!」

 緊張してガチガチになった俺は必要以上に頭を下げてしまった。

 レジのカウンターにそえた手に力が入っている。


 顔を上げると彼女はプッと噴き出して笑っていた。


 俺って常に笑われているよなあ。カッコ悪…。

 ちゃんと渡せるだろうか。心臓がバクバクと鳴っている。

 彼女は弁当とお菓子を手にレジに向かってきた。


 「お願いします。」

 彼女はレジに商品を置いた。

 「今日は普通のお菓子なんですね。」

 俺はレジを打ちながら尋ねた。

 「普通のお菓子は常に買ってるのよ。」

 彼女は笑顔で答えながらお金を出した。


 
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