水曜日の彼女

意外な繋がり


 「望さーん、お疲れ様でーす!」

 チカがかん高い声で挨拶する。


 俺は驚きのあまり声が出なかった。


 どうして望さんがここに?

 しかもチカの知り合い?


 彼女がチカから俺の方へ目をやった。


 俺の心臓が大きな音をたてた。



 「あれ?…ヒデ君?」


 きょとんとした顔をした。


 冷や汗がどっと出る。


  「…望さん、もしかしてここのモールで働いてるんですか?」

 俺はショッピングモールの建物を見上げて尋ねた。

 
 「ヒデ、望さんと知り合い?」

 チカが横から割って入ってきた。


 見ると目をまん丸にしている。

 そりゃチカもびっくりするよな。


 「近所のコンビニの店員さんなの。」

 俺の代わりに望さんが答えてくれた。

 「前に忘れ物届けてくれて、そこから親しくなったの、ね。」

 そう言って俺の顔を見た。


 「前に人が来ないから暇だって言った事あるだろ?だからある程度、客の顔覚えられるんだよ。」

 重ねてチカに説明をする。

 平然さを装うので手一杯だ。


 「ふーん。」

 返事したものの納得いかないって顔をしている。


 
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