水曜日の彼女

一抹の不安


 初ドライブ事件があって俺はますます望さんにのめり込んでいた。


 勿論、俺にとって高嶺の花である事には変わりはない。


 だけど、仲良くなればなるほど欲張りになっていく。


 一目見れるだけで良かったのに今はもっと会いたい。

もっと色んな話をしたい。



 そばにいたい。



 勿論この事はアキラに報告した。


 「何だよそれ。凄いじゃん!」


 アイツは本当に良い奴だ。

 自分の事のように喜んでくれた。


 「これは、脈アリだな。次はデートに誘ってみろよ。」

 また一人で先走っている。


 でも俺はあの悲しそうな笑顔が胸に引っかかっていた。


 何か嫌な予感がする。


 いや、そんな訳無い。


 俺は望さんに昨日のお礼をメールした。


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