水曜日の彼女
「じゃあ望さんはただのお客さんでいいの?」
「……」
俺は黙っていた。
チカに言うべきだよな。
付き合ってた訳じゃないが友達以上の関係だったし、チカが気がある事も何となくわかってたしな。
『思わせぶりなことはするなよ。』
そうアキラに言われた事を思い出した。
「違うんだ…」
俺が口を開く前にチカが呟いた。
「…望さんにとって俺はただのコンビニの店員だけどな。」
俺は遂に口を割った。
「最初は綺麗な人だなって憧れていただけだった。今は違う。もっと望さんに近づきたい。色々な事知りたいし、知って欲しい。」
チカは黙って聞いていた。