水曜日の彼女

 彼女は俺が心の中で突っ込まれてるなんて知るよしもなくレジの前に近付いて来た。

 何故か背筋がピンと伸びる。

 彼女は商品を置くと財布を取り出しお金を用意し始めた。


 「…お弁当、温めますか?」


 義務的ではあるが彼女に訪ねた。


 「いりません。」


 素っ気ない返事。…当たり前だ。


 もちろんではあるが、彼女とはこれ以上言葉を交わした事はない。

 彼女はちょうどの金額を払うと、レシートも受け取らず店を後にした。


 何故か大きなため息が出た。


 来週まで彼女には会えないな。


 …本当に何で彼女の事が気になるんだろう。

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