置き去りの季節
悲劇と共に得たもの。
『ねぇ莉央、莉央は、どの季節が好き?』
『…冬、かな。』
『えー、何で?冬は寒いじゃん。』
『寒いの好きだもん。…啓悟はどれが好きなの?』
『俺は…、夏が好きだ。』
『…夏は暑いじゃん。』
『そうだな。暑いのは嫌いだ。でも、夏が好きなんだ。』
『…変なの………。
曖昧に終わった会話、目の前に広がる天井。あぁ、夢か。とまだ眠気の残る頭で納得する。あれは確か、夏に啓悟と一緒に花火をしたときの会話だ。あの日から半年経った今でも、私は…
「夏なんか、嫌い。」
…頑なに夏を嫌うようになったのだ。
勿論、この会話が原因な訳ではない。その直後に遭った、事故が…。
あれさえなければ、私は夏を好きになれたかも知れない。
『…冬、かな。』
『えー、何で?冬は寒いじゃん。』
『寒いの好きだもん。…啓悟はどれが好きなの?』
『俺は…、夏が好きだ。』
『…夏は暑いじゃん。』
『そうだな。暑いのは嫌いだ。でも、夏が好きなんだ。』
『…変なの………。
曖昧に終わった会話、目の前に広がる天井。あぁ、夢か。とまだ眠気の残る頭で納得する。あれは確か、夏に啓悟と一緒に花火をしたときの会話だ。あの日から半年経った今でも、私は…
「夏なんか、嫌い。」
…頑なに夏を嫌うようになったのだ。
勿論、この会話が原因な訳ではない。その直後に遭った、事故が…。
あれさえなければ、私は夏を好きになれたかも知れない。