幼なじみ改造計画
 冬馬の体……凄い。
 ぴったりと、触れているから解かる。
 大きくて、がっちりして、凄く頼もしい。
 昔は……ちっちゃくて可愛かったのに、こんなふうになってたんだ。
 なんか、守られている感じだ。

「おい、何やってんだお前、またガーターだろ!?」

「あ、ごめん」

 冬馬の事ばっかりで、ボーリングの事をすっかりと忘れてた、わたし。
 冬馬に指導してもらってるのに、またガーターを出してしまった。

「まったく……」

 冬馬はやれやれ、と言いながら、次の自分の投球の準備をする為に……
 わたしから、離れちゃった。
 ……もう少し、くっついて居たかったな。

「あれ、冬馬くん、じゃない?」

「あ、本当だ!」

「春風さんと一緒だ……」

 あ、あれ、たしか新しいクラスの女子……
 冬馬が投球をしてる最中、席に座っていたわたしの後を、新しく一緒になったクラスの女子達が通りかかった。

「ねぇ、春風さんって、なんで冬馬くんと一緒に居るの」

「ああ、あの二人、幼なじみなんだって」

「うそ、全然、釣り合ってないじゃん!」

 聞こえる声で、わざとだね……
 通り際に、わたしを睨みながらそう言った女子達は、そうそうにどっかに消えた。
 ……わかってるよ、そんな事。
 よく、言われるもん。
 冬馬の側にいると、わたしが見合って無いって……
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