妄想乙女の恋事情
アタシ…。アタシ…。
「素直になってみたら?」
澪ちゃんの言葉で、何かが繋がった。
――好き。
「アタシ…先輩のこと、す…好き?」
「知らないわよ、自分に聞きなさい」
ゆっくり深呼吸する。
そして目を瞑り、考える。
頭に浮かぶのは…。
「聖夜先輩」
「そっか。よかったね」
澪ちゃんが笑ってくれた。
「初めての好きな人?沙希、小学校のときの唯知らないからわかんない;;」
「うん、そうだよ」
アタシの人生の初の好きな人。
今日の放課後は、いつになっても忘れないキラキラした夕暮れだった。
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