山あり谷あり谷あり…そして…

新たな生活へ…

友達の力を借りて、夜逃げをする事に決め、デートした相手(今の主人)に話しました。

仕事も事前消滅は嫌だったので、キチンと挨拶をし辞め、レンタカーや今後の生活のためお金に成り代わるものは売り払いました。

その中に、夢であった仕事道具でもあるグランドピアノも手放しましたが、涙が止まらなく辛く…でも、畳4畳程の物は、夜逃げには持っていけないし、そんな大きな楽器を運べるような部屋には到底住めない…

その姿を見た彼が

『小さいかもしれないけど、俺が買ったる!』

と言ってくれたのです。嬉しかった…

準備が出来た頃、仕事のはずの彼が来てくれたのです。猫の小物関係に、ベッドの解体…黙って準備を始めてくれてました。

友人に連絡したら、ご主人と来てくれ、荷物の運び出しをしてくれました。

ウチは、彼の車に猫と一緒に乗り込み、荷物を詰んだトラックを、友人のご主人が運転してくれ、夜逃げ決行…

どんどん…見慣れた風景が遠退いて行き、真新しい風景が目に入ってきましたが、涙でキラキラ反射してるように映りました。

新しい部屋は、3階建ての文化住宅。階段も壁もひび割れ状態で、夜中の引っ越しの為、ご近所にも迷惑を掛け、新居を見て驚き…迷惑を掛けた心苦しさ…これからの生活の不安…色んな気持ちで、複雑な心境でした。

友達夫妻と彼が帰った後、猫とウチ…

一匹と一人の生活が、ボロボロの文化住宅から始まります。

でも、いつ主人や主人の関係者に見つかるか、逃亡者的な心境で生活をしなければなりません。

でも、犯罪を繰り返す主人やその関係者と縁を切り、幸せを掴むために、今を乗り越えなければ…

次の日、彼が部屋に弁当を買ってきてくれたのです。小さな部屋で、二人と一匹がテーブルもないまま、食事を頂きました。

この時既に、ウチに異変が起ころうとしていたのです。

彼がウチを見るなり

『腕に傷作ってどうしてん?』

自覚はありませんでした。が、自分で無意識の内に傷を付けたり猫に落書きをしたり…

精神的にマイッテしまったのです。

ウチを一人には出来ないと、この日から彼との同棲が始まりました。彼にとっても、職場が車で10分と便利だった事もあり、二人と一匹の生活が始まりました。

ウチには、大事な事が後一つ…
< 18 / 27 >

この作品をシェア

pagetop