シュークリーム
「……沙耶はさ、男前過ぎるよな」


は……?


「そこらの男よりもずっと仕事に打ち込んでるし、仕事が生き甲斐なんだろ? 仕事が大事な沙耶なら、恋愛なんて必要ないだろうし……。まぁこれからは思う存分、仕事に打ち込めよ」


呆然とする私を前に、彼はひとり、どこかしんみりとした口調で語っていた。


男前……?


仕事が生き甲斐……?


勝手な解釈をして話を進める彼に、私は言い返す気力も失くしてしまう。


そして、きちんとした話し合いもしないまま、さっさと別れてしまった。


< 24 / 131 >

この作品をシェア

pagetop