シュークリーム
「すみません……」


「まぁいい。それより森、この近くにおすすめのカフェはあるか?」


「え?」


資料を探しながらそんなことを話す課長に、小首を傾げる。


「出来たら、ゆっくり過ごせる店がいい」


「課長、それってどなたと……」


「野暮なことは訊くな」


赤いファイルを手にした課長は、私を見ながら口元を僅かに緩めてから続けた。


「森がサボっていたことは見なかったことにしてやるんだから、それくらい教えてくれたっていいだろう?」


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