シュークリーム
1LDKのこのアパートは、ひとりでいる時には充分過ぎるくらい広いと感じるのに、今はなんだか狭くなったような気がする。


「氷、あるか?」


「え? ……あっ、氷ね!」


ボーッとしていた私は慌てて頷き、氷を入れたグラスを用意してテーブルに置いた。


「お前はピーチのチューハイだったよな。とりあえずこれでいいか?」


「あっ、うん……」


村上君の手によって、グラスにコンビニで買った缶チューハイが注がれる。


炭酸がシュワシュワと弾ける音が、やけに大きく響いた。


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