シュークリーム
「おいおい、もう酔ってるじゃねぇか……」


呆れたように呟いた村上君が、私からグラスを取り上げた。


「あっ、ちょっとぉ〜!」


眉間にシワを寄せて手を伸ばそうとした時、スマホの着信音が鳴った。


スタンダードな音が、鳴っているのは私のスマホじゃないことを教えて来る。


「やべっ……!」


ディスプレイを確認した村上君は、焦りを見せながら電話に出た。


「もしもし?」


彼がそう言った直後にスマホから漏れ聞こえて来たのは、女の人の声だった。


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