シュークリーム
「ちゃんとわかってるって! もうすぐ帰るから!」


必死な表情で話す村上君を前に、心がチクチクと痛み出す。


相手がなにを言っているのかはわからないけれど、彼に早く帰って来るように怒っていることだけはなんとなくわかる。


抱いたばかりの寂しさが消えて、悲しみが芽生え始めていた。


「……だから、そういうんじゃなくて! ただの同僚だって!」


村上君の言葉に、胸の奥がギュッと締め付けられて目頭が熱くなる。


“ただの同僚”って台詞が、こんなにも苦しい響きだとは思わなかった。


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